79本年度の定時総会前の幹事会では「沖縄新大学院大学構想」への取り組みについて協議し、定時総会で声明を決議したほか、懇親パーティーも「沖縄新大学院大学の実現にむけて」と題して開催。このパーティーには沖縄科学技術大学院大学設立構想のキーパーソンである、尾身幸次前沖縄相兼科学技術相も出席した。内閣府の主導で進められた大学院大学の設立を、民間の立場から全面的にバックアップした本会。文部科学省の認可が下りた2011(平成23)年には、「沖縄科学技術大学院大学との産業連携を模索する〜知的産業クラスターアイランドOKINAWAをめざして〜」と題してラウンドテーブルを開催することになる。2003(平成15)年2月15日沖縄タイムス(2面)沖縄に高等教育機関と知的産業クラスターを設立5年目の1994(平成6)年、「これからの高等教育のあり方」と題したフォーラムで、大学院の強化や開かれた大学づくりを求める基調講演を受け、「アジア太平洋地域のための高等教育機関をつくるのに沖縄は非常に適している」と牛尾治朗氏が提言するなど、かねてから人材育成や高等教育の重要性に着目していた沖縄懇話会。1995(平成7)年のフォーラム「地域活性化の問題点」でも、ベンチャー企業の育成、理工系の大学教育の強化などが論じられた。この頃から沖縄のさらなる振興のためには、高等教育機関の設置と、それに伴う知的産業クラスターの形成が必要だという考え方は共通認識となっていったと言えるだろう。
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