35大交易会はまさに沖縄の経済界が発想し、自分たちで運営してここまで来ました。面白いですよね。地理的条件や国際物流ハブを生かして行うというのは、私は非常に良いと思います。ただし、財政を見るとまだまだ県に頼っている。独り立ちしたら成功ですよ。やはりダイキンオーキッドにしろ、大交易会にしろ、人を集める行事がいくつあるかというのは大きいと思います。人を集めるというのは、お金が動きますからね。当時、懇話会の沖縄メンバーからもITやコールセンターの誘致に力を入れたいと聞きましたし、行政の手厚いサポートもありましたので、オリックス・ビジネスセンター沖縄株式会社を設立しました。オリックスグループのバックオフィス業務を担当する当社では、リースやレンタル契約の各種手続きから生命保険などの金融商品まで、いろんなレベルがあるんです。一番難しいのはお客様からのクレームの対応ですが、そういうこともできる高度な専門知識を持った人材が育ってきました。そうなると、もう沖縄から動かす理由はない。人が集まるイベントもそうですが、世界的なリゾートホテルが開業するのも、沖縄への投資の重要性がわかる良い例ですね。お金をつぎ込むと人が動きます。沖縄で、有能な人材をもっと動かさないといけません。沖縄経済が発展するためには、お金と人材が二大資源です。これさえ引っ張って来れば繁栄できるわけです。懇話会の中も世代交代が進んでいます。サミット誘致で小渕さんに直談判に行った方々はみんな、沖縄に対する強い思いを持っていました。沖縄は戦中戦後と大変な苦労をされて、申し訳ないという思いです。若い世代にはもっと歴史を勉強してほしいという思いはありますが、感覚の違いは時代の変化でもありますから。次の時代に入っていくにあたって、新しい人たちに新しい目で沖縄振興をやってもらいたい。沖縄の潜在能力を考えると、地理的位置、気候風土、文化、それらが全部プラスに働くはずなんですよ。これから先が楽しみです。プロフィールみやうち よしひこ1935(昭和10)年生まれ、兵庫県神戸市出身。1960(昭和35)年に日綿實業(現 双日)に入社。1964(昭和39)年、オリエント・リース(現 オリックス)に入社。1980(昭和55)年、代表取締役社長・グループCEOに就任。2014(平成26)年、代表執行役会長・グループCEOを退任し、シニア・チェアマンに。 日本プロ野球球団オリックス・バファローズのオーナーも務める。沖縄懇話会では1996(平成8)年から本土側副代表幹事、2000(平成12)年から現在まで本土側代表幹事を務める。琉球交響楽団や沖縄の伝統芸能を愛する沖縄通でもある。――気候のありがたみは、沖縄県民自身がその価値をわかっていないかもしれませんね。ところで先ほどの、沖縄の要望は総花的というお話ですが、これまでの懇話会の実績をふり返ると、サミットのように本土側がリードした案件もあります。大交易会は沖縄側から話が出たものですか?――人が動けば、お金が動く。沖縄では近年、世界的なリゾートホテルが次々と開業しています。懇話会の会員企業の動きは、ドライな投資とは違う流れですが、オリックスもコールセンターを1999(平成11)年に沖縄に設立されましたね。――人材育成も重要な■ですね。今後、沖縄懇話会の役割はどんな形になっていくとお考えですか?
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