沖縄懇話会30周年記念誌
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沖縄懇話会30周年に寄せて22ANAホールディングス株式会社取締役会長伊東 信一郎沖縄懇話会設立30周年おめでとうございます。まず始めに、これまで沖縄の発展のために行動をされてこられた諸先輩方のご尽力に、あらためて感謝の気持ちと敬意を表したいと思います。30年前、中山素平様らの提唱により、本土の経済人と沖縄の経済人が語り合い、沖縄の経済・文化振興のために協力することを目的として設立された本会が、沖縄の発展に果たしてきた役割はたいへん大きなものがあります。これまで、「地域活性化」、「経済自立」、「観光戦略」、「雇用創出と人材育成」、「アジア・ゲートウェイ」、「貨物ハブ」、「沖縄大交易会」等々、毎年具体的なテーマを定めて議論をし、そして具体的に行動を起こされてきたことによって、現在の沖縄の発展があります。一例として観光を挙げますと、30年前の沖縄県の入域観光客数は200万人程度でしたが、昨年は1,000万人を超えました。観光収入も2,500億円程度から7,000億円を超えるまでになりました。これも、懇話会メンバーの方々が、沖縄の魅力を正確に理解し、その歴史、将来性・発展性に着目され、様々な施策を都度的確に実行されてこられた成果であります。私どもANAも、1961(昭和36)年に沖縄­鹿児島線を就航して以来、沖縄の発展と共に成長してきました。懇話会設立当初から若狭得治がお世話になり、大橋洋治を経て、現在は私が幹事を仰せつかっておりますが、私どもにとって沖縄懇話会と共に歩んだこの30年はたいへんに価値のある30年間でした。30年前、ANAの沖縄発着路線は、11路線/年間約1.5万便程度でしたが、いまでは当時の3倍の、30路線/年間約5万便になりました。LCCのPEACHも加えますと、年間約1,000万人の方に沖縄路線をご利用いただいております。また、沖縄貨物ハブの開設にあたりましては、沖縄県の皆様には、土地・建物等に関するご支援や、社員の雇用にあたってのご支援、関連する企業の誘致や沖縄大交易会の開催など、長期に、また多岐にわたって、たいへんなご支援をいただいておりますことに心から感謝申し上げます。何度も景気変動による航空貨物需要の増減に見舞われながらも、那覇空港の国際貨物取扱量は100倍以上、日本第5位の国際貨物取扱空港になりました。たいへん感慨深いものがあります。なんとかここまで継続してくることができましたのも沖縄の皆様のおかげと感謝しております。これからも沖縄懇話会が、本土と沖縄の経済人の懸け橋として、引き続き発展していくことを祈念しますとともに、ANAが旅客・貨物の航空運送事業を通じて、今後とも沖縄の発展に貢献すべく、皆様と共に歩んでいくことをお約束しまして、お祝いの言葉とさせていただきます。

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