沖縄懇話会30周年記念誌
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1112018(平成29)年11月30日沖縄タイムス(3面)基調講演を行う伊達美和子氏。パネルディスカッションに登壇したグレン・スン氏。同じく高橋一夫氏。2017(平成29)年度、沖縄の観光客数は約940万人とハワイに並んだものの、観光収入はハワイの4割にとどまっている。そこで本年のラウンドテーブルでは観光収入に焦点を当てた。基調講演では、全国で不動産業やホテル経営などを行う森トラストの伊達美和子社長が登壇。観光収入増加のためにはコンテンツの絞り込みと高度な広報戦略が必要だと述べた。パネルディスカッションには伊達氏、近畿大学経営学部教授の高橋一夫氏、沖縄ツーリスト会長の東良和氏、セコイア・キャピタル・チャイナ共同経営者のグレン・スン氏が登壇。東氏は「延べ宿泊数を見ると、ハワイは年間6,000万人泊を超えているが、沖縄は2,100万人泊。延べ泊数を追いかけないと、真の姿は見えない。第二滑走路の供用にあたり、受け入れ体制は整っているか」と指摘。伊達氏は「世界にはタクシー感覚でプライベートジェットに乗る富裕層が大勢いる。彼らの受け入れインフラを考えると、伊良部空港は国際空港で、綺麗なビーチやホテルまで15分で着くため、戦略的な位置づけになる」と述べた。積極的な投資会社のスン氏は投資を決めるポイントとして「1番目は魅力的な独自性、2番目はアクセスの良さ、3番目はホテルなどインフラの整備。沖縄は成長中で、投資先として魅力がある」と述べた。高橋氏はせとうちDMOの実例を紹介し、「地域にツーリズム関連事業を集積させるには、金融機関など融資の主体がその地域から出ることが大事」と述べた。東氏は「外から沖縄に送客する、沖縄から外に送客することに加えて、外の客をよそに送る観光業の輸出も重要。沖縄の企業が外で得た稼ぎを沖縄に入れることで地域主導という形になり得る」と提言した。ラウンドテーブル「観光収入2兆円を目指す!」

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